結核・呼吸器感染症予防週間に考える、高齢者の健康と予防の大切さ
9月24日は結核・呼吸器感染症予防週間の初日です。かつて「国民病」とも呼ばれた結核は、日本では大幅に患者数が減少しましたが、依然として毎年1万人以上の新規患者が報告されています。特に高齢者の割合が増えていることが大きな課題となっています。
さらに、新型コロナウイルスやインフルエンザなど、呼吸器に関わる感染症も日常生活に大きな影響を与え続けています。今回は、高齢の親世代を支える現役世代の立場から、結核や呼吸器感染症のリスクや予防策について考えてみましょう。
高齢者に結核が多い理由
結核は過去に感染していた菌が、加齢による免疫力の低下で再び活動を始める「再発型」が多く見られます。
若い頃に発症しなくても、菌が体内に潜んでいて、年を重ねてから症状が出ることがあります。特に高齢者は糖尿病や心臓病などの持病を抱えている場合も多く、免疫機能の低下とあわせて発症リスクが高まります。
呼吸器感染症が重症化しやすい背景
インフルエンザや肺炎も、高齢者にとっては軽視できないリスクです。
厚生労働省の統計によれば、日本人の死因の上位には肺炎が長年ランクインしています。咳や痰といった初期症状が「年齢のせい」や「風邪だろう」と見過ごされることも多く、受診が遅れることで重症化するケースが少なくありません。
日常生活でできる予防の工夫
呼吸器感染症の予防は、生活習慣の見直しから始められます。
- 栄養バランスの良い食事(タンパク質やビタミンを意識して、免疫力を高める)
- 十分な睡眠と休養(疲労は免疫低下の大きな原因になる)
- 手洗い・うがい・マスク(基本的な感染症対策を継続する)
- 換気の工夫(空気のよどみを防ぎ、菌やウイルスを滞らせない)
健診と早期発見の重要性
結核は胸部レントゲンや痰の検査で発見されます。
高齢者の場合、自覚症状が軽いことも多いため、定期的な健康診断を受けることが欠かせません。特に長引く咳や体重減少、微熱、だるさといった症状が見られる場合には、早めに医療機関を受診することが重要です。
家族にできるサポート
現役世代の子どもができることは、親の健康の変化に気づきやすい環境をつくることです。
- 日常の会話で体調を尋ねる
- 健診や病院受診に付き添う
- 食事や生活習慣を一緒に見直す
これらの小さな関わりが、重症化を防ぎ、安心した生活につながります。
感染症予防週間をきっかけに
「結核・呼吸器感染症予防週間」は、病気を恐れるだけではなく、日々の生活を見直すチャンスでもあります。
高齢者が安心して暮らせるように、家庭や地域、医療機関が一体となって支えることが求められます。
まとめ
9月24日から始まる「結核・呼吸器感染症予防週間」。かつてより身近ではなくなったように感じるかもしれませんが、高齢の親世代には依然として深刻なリスクがあります。
私たち現役世代が関心を持ち、日常の中でできる工夫やサポートを実践していくことが、親の健康を守る第一歩となるでしょう。



