「9月17日は減塩の日」――親の健康寿命を守る“ちょっとした工夫”


はじめに

9月17日は「減塩の日」です。
減塩というと「病気になってから気をつけるもの」というイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし実際には、病気になる前から日常的に塩分を意識して控えることが大切です。

特に高齢の親御さんにとって、減塩は健康寿命を延ばし、生活の質を守るために欠かせないテーマといえるでしょう。


高齢者にとって塩分がなぜ危険なのか

私たちの体は、ある程度の塩分を必要とします。
しかし、過剰に摂取すると体に大きな負担をかけてしまいます。

特に高齢になると、次のような理由で塩分の影響が強く出やすくなります。

  • 血圧が上がりやすい
    加齢とともに血管が硬くなるため、塩分を摂りすぎるとすぐに血圧が高くなります。高血圧は脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めます。
  • 腎臓に負担がかかる
    塩分は腎臓で処理されますが、腎機能は年齢とともに低下していきます。若い頃と同じ食生活でも高齢者の体には大きな負担となるのです。
  • むくみや心不全につながる
    塩分を取りすぎると体に水分がたまりやすくなり、むくみや心臓への負担が増します。心不全の引き金になることも少なくありません。

高齢者が減塩を難しく感じる理由

「減塩が必要」と理解していても、実際に続けるのは簡単ではありません。

  • 長年の味付け習慣が抜けにくい
    「味が薄いと物足りない」と感じることがあります。
  • 加工食品に塩分が多い
    漬物、インスタント食品、加工肉などに多く含まれ、知らないうちに摂りすぎてしまいます。
  • 一人暮らしで簡単な食事に偏りやすい
    レトルトや惣菜に頼ると塩分摂取量が自然と増えてしまいます。

減塩を続けるための工夫

1. 出汁や香辛料で味に変化を

昆布やかつお節の出汁、レモンや酢の酸味、胡椒やカレー粉などの香辛料を活用すると、薄味でも満足感が得られます。

2. 食材そのものの味を楽しむ

蒸す・焼くなどシンプルな調理で、野菜の甘みや魚の旨味を活かしましょう。

3. 減塩食品を上手に活用

減塩醤油や減塩味噌などを取り入れると、無理なく塩分を減らせます。

4. 食卓での工夫

卓上に調味料を置かない、小皿に分けて「つけて食べる」スタイルにするだけでも、塩分の摂りすぎを防げます。


家族ができるサポート

高齢者本人だけで減塩を続けるのは大変です。そこで家族ができるサポートを考えてみましょう。

  • 一緒に買い物をして食品表示を確認する
  • 減塩レシピを一緒に作る
  • 健康診断や血圧測定を一緒に確認する

「数字で変化を実感する」ことはモチベーションにもつながります。


減塩は“家族の安心”につながる

減塩は単なる食事の工夫ではなく、高齢者の健康寿命を守る大切な取り組みです。
そして、そのサポートは家族にとっても安心につながります。

「味が薄いとつまらない」と感じるかもしれませんが、工夫次第でおいしく続けられます。
ぜひ9月17日の「減塩の日」をきっかけに、親御さんの食生活を見直してみてください。