9月25日は旧・介護の日です。

かつて厚生労働省が「介護の日」を定める以前、9月25日は「旧・介護の日」と呼ばれていました。現在の「介護の日」は11月11日に制定されていますが、9月25日という日付には今でも「介護を考える日」としての意味合いが残っています。今回はこの日をきっかけに、介護の現状や課題、そして家族としてできることについて考えてみましょう。


■ 「旧・介護の日」の背景

「介護の日」とは、介護について国民の理解と認識を深め、介護する人・される人の双方を支える社会をつくることを目的に制定された日です。現在は「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」の語呂合わせから、11月11日が「介護の日」とされています。
一方で、9月25日も過去には「介護の日」と呼ばれており、地域や団体によっては今もこの日を機にイベントや啓発活動を行っています。つまり、9月25日は「介護を身近に考える原点」ともいえる日なのです。


■ 高齢化社会における介護の現状

日本は世界でも類を見ないスピードで高齢化が進んでいます。

  • 2025年には団塊の世代がすべて75歳以上となり、いわゆる「2025年問題」が現実化します。
  • 要介護認定者数は増加の一途をたどり、介護保険サービスの利用者は約600万人に上っています。
  • 在宅介護を担う家族の負担も年々大きくなっており、仕事と介護の両立に悩む現役世代は少なくありません。

こうした背景を考えると、介護は特定の家庭だけの問題ではなく、社会全体で向き合うべき課題といえるでしょう。


■ 家族ができること

介護と聞くと「重労働」というイメージが先行しがちですが、日常の中で少しずつできることもあります。

  1. 小さな手助けを意識する
     買い物や掃除、通院の付き添いといった日常的なサポートも立派な介護です。
  2. 見守りの時間をつくる
     離れて暮らす場合でも、定期的な電話やオンラインでの顔合わせが高齢者の安心感につながります。
  3. 介護サービスを知る
     地域包括支援センターや自治体の窓口を利用し、訪問介護やデイサービスなどを上手に取り入れることで、家族の負担を軽減できます。

■ 社会としての取り組みの必要性

介護を家族だけに任せるのではなく、社会全体で支える仕組みづくりが求められています。

  • 地域包括ケアシステムの推進により、住み慣れた地域で暮らし続けられる体制が整備されています。
  • 企業においては、介護休業制度や短時間勤務制度の利用促進が進められています。
  • ボランティアやNPO団体による「ちょっとしたお手伝い」サービスも、地域社会で大きな役割を果たしています。

■ 「旧・介護の日」をどう過ごすか

9月25日という節目の日を、私たちはどのように過ごせばよいのでしょうか。

  • 家族で介護について話し合うきっかけにする
  • 介護に関する本や記事を読んで知識を深める
  • 日頃介護を担っている人に「ありがとう」と伝える

そんな小さな一歩でも、この日を意識することに意味があります。


■ まとめ

9月25日は「旧・介護の日」です。現在は11月11日に公式な「介護の日」が定められていますが、9月25日もまた介護について考える大切な日であることに変わりはありません。高齢化が進む中で、介護は誰もが直面する可能性のあるテーマです。家庭内でのサポート、地域や社会の仕組みを活用する工夫、そして感謝の気持ちを伝えること――。
「旧・介護の日」を機に、私たち一人ひとりが介護を前向きに捉え、支え合う社会を目指していきましょう。