高齢の親の災害対策、何をどこまで準備すべき?防災の日に考える家族の安全
9月1日は防災の日です。親御さんの防災に関して話し合ってみてはいかがでしょうか。
台風や地震、集中豪雨など、近年の自然災害は全国どこでも起こり得る現実となりました。
特に高齢の親世代は、体力面や判断力の面で不安を抱えがちです。いざというときに安全に避難できるのか、必要なものが手元にあるのか――これらは事前に家族で話し合っておくことで、大きな安心につながります。
高齢者にとっての災害リスクは何か
高齢の親御さんが災害に遭遇した際、若い世代に比べて不利になることが多いのは事実です。
たとえば、
- 足腰が弱り、避難が遅れる
- 判断力の低下により避難判断が遅れる
- 薬や補助具など、日常生活に欠かせないものが多い
- 情報機器に慣れておらず、避難指示に気づきにくい
こうした背景から、高齢者ほど「事前準備」と「家族のサポート」が重要となります。
まずは住まいの安全確認から
自宅が安全であることは、防災の基本です。
家族で確認しておきたいポイントには、次のようなものがあります。
- 家具の固定:タンスや食器棚が転倒しないように固定する
- ガラス飛散防止:窓にフィルムを貼る、カーテンを閉める習慣をつける
- 避難経路の確保:出入口や廊下に荷物を置かず、すぐに移動できる状態にする
- 非常用ライトの設置:停電時にすぐ使えるように、懐中電灯を手元に置く
こうした小さな工夫が、災害時のケガや事故を防ぐ大きな対策となります。
非常持ち出し袋と日常備蓄を整える
災害発生時には、数日間支援が届かないケースもあります。
特に高齢者は、普段の薬や食事内容に制限がある場合があるため、一般的な防災グッズに加えて「個別の備え」が大切です。
非常持ち出し袋に入れておきたいもの
- 処方薬・お薬手帳・健康保険証のコピー
- 補聴器、メガネ、入れ歯など日常生活に欠かせない物
- 歯ブラシ、ウェットティッシュ、簡易トイレ
- 常食・アレルギー対応食、栄養補助食品
- 家族やかかりつけ医の連絡先メモ
日常備蓄のポイント
- 水と食料は最低3日分、できれば1週間分
- レトルトや缶詰など、簡単に食べられるもの
- ガスコンロやカセットボンベの予備
- 充電器や乾電池の予備
親御さんと一緒に備蓄品を確認し、実際に手に取って使えるか、食べやすいかを確かめておくことが安心につながります。
避難先と連絡手段を確認する
災害時には、自宅に留まるのか、避難所へ行くのか、判断が必要になります。
事前に次のようなことを決めておくと安心です。
- 最寄りの避難所の場所とルートを確認しておく
- 家族が別々の場所にいるときの連絡方法を決めておく
- LINEやメールだけでなく、災害用伝言ダイヤルの使い方を覚えておく
- 移動手段(徒歩か車か)と、誰が迎えに行けるかを話し合っておく
特に高齢者だけで避難するのが難しい場合、近所の知人や自治会に協力をお願いしておくと心強いです。
アイスタッフのサポーターさんに事情を伝えておくだけでも、何かがあった時に対応がしやすいのでお勧めしています。
災害時の「心の備え」も忘れずに
災害は心に大きなストレスを与えます。
避難生活では環境の変化に加え、孤独や不安、体調の変化が重なりやすくなります。
親御さんの不安を軽くするために、家族からの定期的な連絡や、声かけが大切です。
また、普段から「災害時は○○さんに頼っていい」「無理せず早めに避難する」といった“安心材料”を共有しておくことで、災害時の行動がスムーズになります。
家族で話し合うことが最大の防災対策
どんなに立派な備蓄やマニュアルがあっても、家族の間で共有されていなければ十分ではありません。
親世代と子世代が一緒に「どのように動くか」を話し合うことが、最も実用的で安心な備えになります。
防災の日をきっかけに、家族で防災について話し合う時間を作ってみませんか。
「何を準備しておくべきか」「どこに避難するか」「誰が連絡を取るか」――これらを明確にすることで、いざというときの混乱や不安を最小限に抑えることができます。
まとめ
- 高齢者の防災は「個別の備え」と「家族の連携」が重要
- 家の安全対策、非常持ち出し袋、避難経路・連絡方法を確認
- 防災の日をきっかけに、話し合いと点検を習慣に
家族の安心は日々の備えから。防災の日を通して、大切な親御さんと安全・安心の未来を作っていきましょう。



