大腸を考える日:家族と一緒に始める腸活

9月26日は「大腸を考える日」です。日頃はあまり意識することが少ない大腸ですが、高齢者にとって健康を維持するうえでとても重要な器官です。大腸は食べたものの消化・吸収を助け、便として不要物を排出する役割を担っています。特に高齢になると、腸の働きが弱まり便秘や腸内環境の乱れが起こりやすくなります。

この記事では、大腸の健康を守るための生活習慣や、高齢者が気をつけたい症状、日常でできるサポート方法についてまとめます。


高齢者に多い大腸のトラブル

高齢者の大腸トラブルとして代表的なのは以下のようなものがあります。

  1. 便秘
    加齢による腸の運動機能低下や水分摂取不足、運動不足が原因で起こります。慢性的な便秘は腹部の張りや不快感だけでなく、腸内環境の悪化や痔、さらに大腸がんのリスクにもつながります。
  2. 大腸ポリープ・大腸がん
    年齢が上がるにつれて、大腸ポリープや大腸がんの発症リスクも増加します。初期段階では症状がほとんどなく、検診で発見されることが多いのが特徴です。
  3. 下痢や軟便
    高齢者は消化機能が低下し、食生活や薬の影響で下痢や軟便が起こりやすくなります。栄養状態や水分補給の管理が重要です。

大腸の健康を守る生活習慣

大腸の健康は、日々の生活習慣で大きく左右されます。高齢者が無理なく取り入れられる習慣をいくつか紹介します。

1. 食物繊維を意識した食事

食物繊維は便のかさを増やして腸の動きを助けます。野菜・果物・海藻・きのこ類を毎日摂ることがポイントです。特に、水溶性食物繊維は便をやわらかくする作用があり、高齢者の便秘予防に役立ちます。

2. 水分をこまめに摂る

高齢になると喉の渇きを感じにくくなりますが、水分不足は便秘の大きな原因です。1日1.5〜2リットルを目安に、こまめに水やお茶を摂ることが大切です。

3. 適度な運動

ウォーキングやストレッチなど、無理のない運動で腸の蠕動運動を促すことができます。特に便秘がちな高齢者は、朝の軽い体操や日課の散歩が効果的です。

4. 規則正しい生活

食事・睡眠・排泄のリズムを整えることで、腸の働きも安定します。高齢者は特に生活リズムの乱れが腸の不調につながりやすいため、毎日のリズムを意識することが重要です。


高齢者のサポート方法

高齢者が大腸の健康を保つためには、家族や介護者のサポートも役立ちます。具体的には次のような支援が考えられます。

  • 食生活の見直しサポート
    栄養バランスを考えた献立作りや、食べやすい形状への調理(刻み食・やわらか食)を工夫します。食物繊維や水分を摂りやすくすることがポイントです。
  • 生活リズムの管理
    朝食・夕食の時間を一定にする、就寝・起床の時間を整えるなど、規則正しい生活を促すことで腸内リズムを整えます。
  • 排便習慣のサポート
    毎日同じ時間にトイレに行く習慣をつけることが便秘予防につながります。必要に応じて便秘薬の相談も行います。
  • 検診・受診の推奨
    高齢者は症状がなくても大腸がん検診を受けることが大切です。家族や介護者が予約や受診のサポートをすることで、早期発見につながります。

まとめ

9月26日の「大腸を考える日」は、日頃あまり意識しない大腸の健康を見直す良い機会です。高齢者にとって、大腸の健康は生活の質(QOL)にも直結します。便秘や下痢、腹部の違和感などの症状がある場合は早めに医療機関へ相談しましょう。

食事・水分・運動・生活リズムの4つを整えることが、高齢者の大腸を守る基本です。また、家族や介護者のサポートによって、日常生活で無理なく健康習慣を続けられる環境を整えることも重要です。

この「大腸を考える日」をきっかけに、毎日の生活の中で腸の健康を意識し、元気で快適な毎日を送れるようサポートしていきましょう。